土曜の朝

 土曜日の朝。

主人が毎朝車で走っていた同じ道を、同じ時間に、走る。

爽やかな秋晴れの、青い空を見上げながら、理由もなく涙が流れる。

理由もなくとは。

理由がありすぎて、説明できないから。

それは、見守られている事への感謝であったり、主人に会いたい想いだったり。

日々、常に、私の中にいる主人に想いや問いかけをしているのに、今朝は、こうして涙が止まらない。

今週は、気がめげる出来事もあり、そんな時に、夜中、プーパは、ベッドの私の隣のあなたの枕から離れず、ずっとドアの方を頑なに見つめていた。

今日は、仕事の後、以前のように、ミラノへショッピング。もちろんプーパも連れて。洋服や靴を選んでくれていて、試着の際には、プーパと試着室の前で待っていてくれるか、店内で他の洋服を私のために選んでくれていたあなたは、もういないけど。

あなたが生きたミラノにいると、あなたを更に近くに感じ、更に生きる力をくれるから。



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